ヒポクラテスの三日月

今日取り上げるものは「ヒポクラテスの三日月」と呼ばれるもので

中学受験でも出題されたことがあります。


問題はいたって単純で、

「上の図形について、色のついた部分の面積を求めなさい。」

といったものです。


実際に計算して求めるとしたらどうしますか?

多くの方は下のように、黄色の半円2つの面積と青色の直角三角形の面積の和から
大きな半円を引くことで面積を求めるのではないでしょうか。

では、実際に下のような3辺の長さを用いて、黄色部分の面積を求めてみましょう。

円周率をπ(およそ3.14)とします。πの読み方はパイです。

小学生は小数のかけ算が単元に入っていますので、練習だと思って円周率3.14で計算しましょう。


直径6の半円の面積は 3×3×π÷2 = 4.5×π

直径8の半円の面積は 4×4×π÷2 = 8×π

直角三角形の面積が6×8÷2 = 24 となります。

それらの合計は

4.5×π + 8×π + 24 = 12.5×π + 24

つづいて直径10の大きな半円の面積は 5×5×π÷2 = 12.5×π

引き算すると黄色の部分の面積は (12.5×π + 24) - 12.5×π = 24 となります。


お気づきですか?

そうです。黄色部分の面積は青色部分の面積(直角三角形の面積)と同じなんです。


これは偶然ではなくきちんと証明されたものとして存在しており、

「ヒポクラテスの三日月」と呼ばれております。

なぜそうなるのかについては、小学生には図を用いた視覚的な説明、中学生にはピタゴラスの定理(三平方の定理)を用いた説明方法がありますが、ここでは省略致します。


この「ヒポクラテスの三日月」のように知っていると大きなアドバンテージになるような問題は多いです。

知らない子供が上記のような計算をしている間に、

知っている子供は(黄色部分の部分は直角三角形の面積と同じだから)6×8÷2 = 24

と、すぐに答えを導くことができるのです。


限られた時間で問題を解かなければならない入試や試験では、

類似問題に多く取り組むことも重要ですが、このようなテクニックや解法を知っていることも重要ですね。


またたび教室

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